平成16年論文式 意匠法
出典: ゼネラルプロパテント 弁理士試験Wiki
[編集] 【問題】
以下の①から③までを前提として、(1)から(3)の問に答えよ。
なお、(1)から(3)はそれぞれ独立の問として回答すること。
また、文中の「形態」とは、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を意味するものとし、腕時計と時計バンドは、物品としては相互に類似しないものとする。
① 甲は、腕時計本体に時計バンドを付けた腕時計の意匠イを創作し、2003年4月1日にイに係る意匠登録出願Aをした。その後、甲はイについて意匠登録を受け、同年12月1日にイは意匠公報に掲載された。また、甲は、同年5月1日から、イに係る腕時計を製造販売している。
② 乙は、止め金具部分の形態に特徴を有する時計バンドの意匠ロを創作し、これを2004年2月1日に出版された雑誌に発表した。イの時計バンドに係る部分とロを比較すると、止め金具部分の形態が大きく異なっているが、他の形態は類似している。
③ 甲は、腕時計本体に時計バンドを付けた腕時計の意匠ハにつき、2004年2月20日に意匠登録出願Bをした。ハは、イと比較すると、腕時計本体の形態が類似しているが、他の部分は類似していない。また、ハの時計バンドに係る部分とロを比較すると、止め金具部分の形態が類似しているが、他の部分は類似していない。
(1)意匠登録出願Bについて、上記①から③の内容から想定される拒絶の理由について説明せよ。
(2)乙は、2004年3月1日に、ロに関して、意匠に係る物品を「時計バンド」とする、止め金具部分に係る部分意匠についての意匠登録出願Cをしたとする。Cの出願後に、甲がBに係るハについて意匠登録を受けたものと仮定して、乙がCに係る意匠につき意匠登録を受ける可能性について論ぜよ。
(3)乙は、2004年2月10日から、ロに係る時計バンドx 、及び腕時計本体にxを付けた腕時計yの製造販売を始めた。その後、乙は、Bに係るハについて意匠権を取得した甲から、xとyの製造販売行為が、甲の当該意匠権を侵害するとの警告を受けた。乙は、甲に対して、どのような主張(反論)が可能であるかにつき論ぜよ。ただし、甲の当該意匠権の有効性を争う主張については触れなくてよい。
【100点】
[編集] 【論点】
意匠登録の要件の適用について具体的事例に即してその理解を問うとともに、部分意匠を含む意匠の類否の判断、意匠権の効力及びその制限について問う。
(1)
①意匠の類否の判断。
②先後願関係、新規性、創作非容易性の各要件の適用。
(2)
①意匠法第3 条の2 の適用。
②先後願関係の検討。
③新規性要件の検討(新規性喪失の例外措置適用との関係)。
(3)
①意匠権の効力。
②意匠法第29条(先使用による通常実施権)適用の可能性。
