平成17年論文式 商標法

出典: ゼネラルプロパテント 弁理士試験Wiki

[編集] 【問題】

イギリスの法人甲は、商品「シャツ」に「OCEANS」の商標を付しイギリス国内で販売しており、その商標は、イギリスとシンガポールで甲が商標登録を受け、イギリスで著名となっている。

乙は、甲の上記商品を日本に独占的に輸入し販売することを企図し、2001年1月、甲にその旨申し入れたが、後述の丙との間で既に輸入総代理店契約を締結済みであるとの理由で断られた。そこで、乙は、同年2月、甲に無断で、商標「OCEANS」に類似する商標「オーシャン2」について「シャツ」を指定商品とする商標登録出願を日本にし、2002年6月に商標登録を受けた。

丙は、甲との間で、甲の上記商品について日本での輸入総代理店契約を締結し、2001年1月以降、商標「OCEANS」が付された「シャツ」を甲から輸入し、販売するとともに、同年3月には、甲の了承を得て、商標「OCEANS」について「シャツ」を指定商品とする商標登録出願を日本にした。そして、商標「OCEANS」は、2001年12月末には、甲の商品を表示するものとして日本国内で広く知られるに至った。

これに対し、乙は、丙による販売が好調であることを認識し、2003年1月以降、商標「OCEANS」が付されている「シャツ」(以下「本件シャツ」という。)をシンガポールの法人丁から輸入し、日本で販売している。しかし、本件シャツは、丁が甲と締結した商標「OCEANS」のライセンス契約における製造地及び下請による製造を制限する条項に違反して製造されているものであった。

この場合、2005年7月3日を基準として、以下の設問(1)から(3)について、設問の番号を明示して答えよ。なお、解答に際しては、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しなくてよい。

設問(1)丙は、乙の商標権を消滅させるために、特許庁に対してどのような手続きをとることができるか。

設問(2)丙は、商標「OCEANS」について商標登録を受けることができるか。仮に、拒絶理由が存する場合には、その拒絶理由を商標法の条文に則して説明した上で、丙は、いかにすれば、商標登録を受けることができるかについても述べよ。

設問(3)丙が商標「OCEANS」について商標登録を受けることができた場合、丙は、乙に対して、本件シャツの輸入及び販売行為を差し止めることができるか。並行輸入が商標権侵害としての違法性を欠くとされる場合の要件を説明した上で、乙がそれを理由に丙の商標権の侵害ではないと抗弁することが可能かについても述べよ。

【100点】

[編集] 【論点】

外国の著名商標に類似する商標の不正目的による商標登録を事例に、商標の不登録事由、無効審判及び取消審判について問うとともに、あわせて、並行輸入と商標権侵害の成否について問い、商標法の多面的な理解度をみる。

(1)設問(1)について

① 商標法第4条第1項第19号等を理由とする同法第46条の無効審判請求

② 商標法第50条の不使用取消審判請求

③ 商標法第51条の不正使用取消審判請求

(2)設問(2)について

① 商標法第4条第1項第11号に係る拒絶理由

② 設問(1)における審判請求による他人の先願登録商標の商標権の消滅等

(3)設問(3)について

① 商標権侵害の要件

② 並行輸入が商標権侵害としての違法性を欠くとされる場合の商標を付す行為、商標権者及び商品の品質に関する要件

[編集] 【解答】