平成18年論文式 商標法
出典: ゼネラルプロパテント 弁理士試験Wiki
[編集] 【問題】
株式会社CBAコーヒー(以下「甲」という。)は、2002 年1月から「CBAコーヒー」の名称で喫茶店を運営しているが、10 回来店した顧客に対し「CBAコーヒー」の文字を側面部に表示したマグカップを無償提供するサービスをし、「CBAコーヒー」の名称を用いた甲の上記業務及びサービスは、関東一円の一般的な需要者間で広く知られている(なお、全国的に知られるには至っていない。)。
乙は、2003 年1月10 日、商標「CBA」について、「家具」及び「マグカップ」を指定商品とする商標登録出願(以下「本件出願」という。)をしたところ、丙の有する2002 年10 月20 日付け商標登録(2001 年11 月5日出願、商標「CBA」、指定商品「家具」)を理由とする商標法第4条第1項第11 号に基づく拒絶理由を通知された。
ところが乙は、その拒絶理由の通知に対して、何ら応答せず、拒絶査定を受けたため、審判請求をしたが、2004 年10 月31 日、審判請求は成り立たない、との審決謄本の送達を受けた。
この場合において、以下の設問(1)から(3)について、設問の番号を明示して答えよ。
なお、解答に際して、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しなくてよい。
設問(1) 上記拒絶理由に対し、本件出願が特許庁の審査に係属しているときに、乙が本件出願に関して、とりえた対応策を説明せよ。なお、「マグカップ」と「家具」は、類似しない商品とする。
設問(2) 上記審決に対し、乙は、指定商品「マグカップ」について商標登録を受けるために、本件出願に関して、どのような手続をとればよいか。商標法第10条及び第68 条の40 の規定に触れながら具体的に論述せよ。
設問(3) 乙は、上記審決に対し、適切な方策をとった結果、2006 年1月30 日、商標「CBA」について、「マグカップ」を指定商品とする商標登録を受けることができた。その後、乙は、同年6月10 日、甲に対し、甲の上記「CBAコーヒー」の表示付きのマグカップの顧客への提供の差止めを求める訴えを起こした。甲は、乙の訴訟上の請求に対し、どのような主張をして争うことができるか。なお、甲の「CBAコーヒー」と乙の「CBA」とは、類似するものとする。また、乙の商標登録に対する無効理由は、考慮しなくてよい。
【100点】
[編集] 【論点】
複数の指定商品を有する出願に対する先願先登録商標に基づく拒絶理由とこれに対する対応策、特に補正、出願の分割(審決取消訴訟段階のものを含む。)についての理解を問うとともに、販促品と商標法上の商品概念ないし商標的使用、商標権の効力の及ばない範囲、先使用による商標の使用をする権利について問い、商標法の多面的な理解度をみる。
(1)設問(1)について
① 指定商品の削除補正
② 出願の分割
③ 先願商標権の譲受けの交渉等
(2)設問(2)について
① 審決取消訴訟係属中の出願の分割の具体的方法
(イ) 審決取消訴訟係属中の出願の分割について
(ロ) 分割の対象となる商品の選択とその理由(分割に際しての原出願の補正の性質と遡及効の有無(最判平17.7.14 の理解))
(3)設問(3)について
① 販促品と商標法上の商品概念ないし商標的使用
② 商標権の効力の及ばない範囲
③ 先使用による商標の使用をする権利
