平成19年短答式 条約

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目次

[編集] 〔3〕パリ条約のストックホルム改正条約第4条(優先権)の規定により優先権の主張が認められる場合として、次の(イ)~ (ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。

  • (イ) 甲が同盟国Xにおいてした最初の特許出願Aと同一の対象について同盟国Yにした後の特許出願Bについて、特許出願Aが、公衆の閲覧に付されないで、かつ、いかなる権利をも存続させないで、Bの出願の日までに取り下げられ、しかも、特許出願Aが優先権の主張の基礎とされていない場合において、甲がBの出願の日から11月後に特許出願Bに基づく優先権の主張をして同一の対象について同盟国Zに特許出願Cをした場合。
  • (ロ) 甲が同盟国Xにおいて最初の特許出願Aをし、その出願の日から6月後に同一の対象についてX国に特許出願Bをした後、特許出願Aが公衆の閲覧に付されないで、かつ、いかなる権利をも存続させないで、しかも、優先権の主張の基礎とされることなく取り下げられた場合において、甲がBの出願の日から5月後に特許出願Bに基づく優先権の主張をして同一の対象について同盟国Yに特許出願Cをした場合。
  • (ハ) 甲が同盟国Xにおいて最初の意匠登録出願Aをし、その出願の日から8月後に意匠登録出願Aに基づく優先権の主張をして同一の対象について同盟国Yに実用新案登録出願Bをした場合。
  • (ニ) 甲が同盟国Xにおいて最初の特許出願Aをし、その出願の日から4月後に特許出願Aに基づく優先権の主張をして同一の対象について同盟国Yに意匠登録出願Bをした場合。
  • 1 1つ
  • 2 2つ
  • 3 3つ
  • 4 4つ
  • 5 なし

[編集] 解説

  • (イ)について。特許出願Bについて優先権の主張が認められるためには、特許出願Bを、最初の特許出願Aと同じく、同盟国Xにしなければならない(パリ条約4条C(4))。パリ条約4条C(4)の規定は、出願人が最初の出願をした後に、その出願に不備を見つけた場合等に、あらためて出願し直して、後の出願によって優先権を生じさせるための規定である。パリ条約4条A(1)の規定では、最初の出願が後に取下、放棄、却下になったかどうかに係らず当然に優先権が発生することになるので、同じ事項について二回出願すると、優先権が二回発生することになってしまう。よって、4条C(4)の規定を作ることで後の出願によって優先権を生じさせることができるようになった。従って、この選択は誤っている。
  • (ロ)について。特許出願Bに基づく優先権の主張が認められるためには、特許出願Bの日までに、特許出願Aが取り下げられなければならない(パリ条約4条A(4))。従って、この選択肢は誤っている。
  • (ハ)について。優先権は最初の出願によって発生する(パリ条約4条A(1)、C(1))。最初の出願が意匠登録出願の場合には、優先期間は出願の日から6箇月である(4条C(1),C(2))。パリ条約C(1)の例外が、E(1)に規定されているが本問の場合には当てはまらない。従って、この選択肢は誤っている。
  • (ニ)について。特許出願に基づく意匠登録出願についてはパリ条約に規定がないため各国の国内法による。従って、この選択肢は誤っている。
解答:5

[編集] 〔8〕パリ条約のストックホルム改正条約第6条の5の外国登録商標の規定について、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 本国において正規に登録された商標は、いかなる場合においても、他の同盟国においてそのまま登録を認められ、かつ保護される。
  2. 本国において正規に出願された商標は、未だ登録されていなくても、他の同盟国においてそのまま登録を認められ、かつ保護される。
  3. 本国とは、法人にあっては、同盟国に現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有する場合はその同盟国をいい、自然人にあっては、同盟国に現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有する場合であっても国籍がある国をいう。
  4. 本国における商標の登録の更新は、その商標が登録された他の同盟国における登録の更新の義務を生じさせる。
  5. 本国Xにおける商標登録出願Aを第一国出願として優先権の主張をして、他の同盟国Yに商標登録出願Bをした場合、X国におけるAの登録が優先期間の満了後にされたときでも、Bの優先権の利益は失われない。

[編集] 解説

  1. について。本国において正規に登録された商標であっても、パリ条約6条の5B各号,C各号に該当する場合には、他の同盟国において、そのまま保護を認められない場合、又は保護されない場合がある(パリ条約6条の5A(1))。従って、この選択肢は誤っている。
  2. について。本国において正規に登録された商標は、他の同盟国においても原則保護されるが、本国において登録されていない場合には、パリ条約6条の5の利益を受けることができない(パリ条約6条の5D)。従って、この選択肢は誤っている。
  3. について。 本国とは、出願人が同盟国に現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有する場合にはその同盟国を、出願人が同盟国にそのような営業所を有しない場合にはその住所がある同盟国を、出願人が同盟国の国民であつて同盟国に住所を有しない場合にはその国籍がある国をいう(パリ条約6条の5A(2))。従って、この選択肢は誤っている。
  4. について。いかなる場合にも、本国における商標の登録の更新は、その商標が登録された他の同盟国における登録の更新の義務を生じさせるものではない(パリ条約6条の5E)。従って、この選択肢は誤っている。
  5. について。パリ条約4条に定める優先期間内にされた商標の登録出願は、本国における登録が当該優先期間の満了後にされた場合にも、優先権の利益を失わない(パリ条約6条の5E)。従って、この選択肢は正しい。
解答:5

[編集] 〔13〕特許協力条約に基づく国際出願に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。

  1. 国際予備審査報告を受領した選択官庁は、他の選択官庁における当該国際出願に関する審査に係る書類の写しの提出を出願人に要求することはできないが、国内手続において、国際予備審査報告に列記された文献の写しを国際予備審査機関から入手できる場合がある。
  2. 受理官庁により国際出願日を認めることを拒否された国際出願について、指定官庁による検査の結果、これが受理官庁の過失の結果であると認められた場合において、国際公開がなされていなかったときは、国際事務局に対して国際公開を行うよう要求することができる。
  3. 出願人が指定官庁に対し所定の翻訳文の提出及び必要な国内手数料の支払を該当する期間内にしなかった場合、指定官庁が国際出願の効果を維持することを認めている場合を除き、特許協力条約第11条(3)に定める国際出願の効果は、指定国において、当該指定国における国内出願の取下げの効果と同一の効果をもって消滅する。
  4. 国際予備審査の請求をした出願人は、所定の期間内に所定の手数料を国際予備審査機関に支払わなければならない。国際予備審査機関に支払われた額が不足する場合、国際予備審査機関は、その不足額を支払うよう出願人に求め、出願人がこれに応じないときは、国際予備審査の請求は行われなかったものとみなされる。
  5. 国際予備審査の請求は、国際出願とは別個に行う。この請求書には、所定の事項を記載するものとし、この請求書は、所定の言語及び形式で作成する。

[編集] 解説

  1. について。国際予備審査報告を受領した選択官庁は、出願人に対し、他の選択官庁における当該国際出願に関する審査に係る書類の写しの提出又はその書類の内容に関する情報の提供を要求することができない(特許協力条約(以下PCT)42条)が、国際予備審査報告に列記された文献であつて国際調査報告には列記されていないものの写しについては、国際予備審査機関から入手できる(PCT36条(4)で準用する20条(3))。従って、この選択肢は正しい。
  2. について。国際出願日を認めることを拒否されたことが、受理官庁の過失の結果であると認められた場合には、過失の結果が生じなかったものとして取り扱われるが(PCT25条(2)(a))、これは、当該指定官庁に係る国における効果に関する限りであるので、国際事務局に対して国際公開を行うよう要求することはできない。従って、この選択肢は誤っている。
  3. について。出願人は、優先日から30箇月を経過する時までに各指定官庁に対し、国際出願の写し及び所定の翻訳文を提出し並びに、該当する場合には、国内手数料を支払わなければならない(PCT22条(1))。出願人が当該行為をしない場合に当該指定国における国内出願の取下げの効果と同一の効果をもつて消滅する(PCT24条(1)ⅲ)。従って、この選択肢は正しい。
  4. について。PCT39条及び、PCT規則58の2の通り。従って、この選択肢は正しい。
  5. について。PCT31条(3)の通り。従って、この選択肢は正しい。
解答:2

[編集] 〔23〕特許協力条約に基づく国際出願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

ただし、特に文中に示した場合を除き、当該国際出願はいかなる優先権の主張も伴わないものとする。

  1. 国際出願に請求の範囲の記載がないため受理官庁から必要な補充が求められた場合において、出願人が、明細書又は図面の記載内容に基づいた請求の範囲を所定の期間内に提出したときは、当該国際出願の受理の日が国際出願日として認定される。
  2. 出願人は、国際調査報告の受領の後速やかに、当該国際調査報告を国際事務局に送付しなければならない。
  3. 国際出願が2以上の優先権の主張を伴う場合には、それらの優先権の主張の基礎となる出願のうち最先のものの出願日が、国際出願日となる。
  4. 国際出願に要約が含まれていないため受理官庁から必要な補充が求められた場合において、出願人が、所定の期間内に補充しないときは、当該国際出願は、取り下げられたものとみなされる。
  5. 国際出願に含めるべく作成した図面の一部が国際出願に含まれていなかったため受理官庁からその旨を通知された場合において、出願人が、所定の期間内にその図面を提出したときは、当該国際出願の受理の日が国際出願日として認定される。

[編集] 解説

  1. について。受理官庁は、国際出願に少なくとも、請求の範囲であると外見上認められる部分等が含まれている場合には、国際出願の受理の日を国際出願日として認める(PCT11条(1))が、請求の範囲の記載がないために受理官庁が補充を求めて、出願人が求めに応ずる場合には、補充の受理の日が国際出願日になる(PCT11条(2)(a),(b))。従って、この選択肢は誤っている。
  2. について。国際調査報告は、作成の後速やかに、国際調査機関が出願人及び国際事務局に送付する(PCT18条(2))。従って、この選択肢は誤っている。
  3. について。優先権の主張の基礎となる出願のうち最先のものの出願日のことは「優先日」という(PCT2条(xi))。国際出願日とは、受理官庁が国際出願日を受理した日(PCT11条(1))、又は補充の受理の日のことである(11条(2)(a),(b))。
  4. について。要約が含まれていないことに対する補充の求めに対して補充をしなかったときは、その国際出願は、取り下げられたものとみなされる(PCT14条(1)(a),(b))。従って、この選択肢は正しい。
  5. について。本問のような場合に、出願人が、所定の期間内にその図面を提出したときには、受理官庁が、その図面を受理した日を国際出願日とする(PCT14条(2))。従って、この選択肢は誤っている。
解答:4

[編集] 〔28〕パリ条約のストックホルム改正条約第6条の2に規定する周知商標の保護について、次のうち、誤っているものは、どれか。

  1. パリ条約の利益を受ける者の商標として、ある同盟国において広く認識されているものと権限のある当局が認めるものの複製であり、かつ同一の商品について使用されるすべての商標について、その登録の無効を利害関係人が請求することができる期間を登録から7年に限る旨、当該同盟国の法令が定めることは、パリ条約に違反しない。
  2. パリ条約の利益を受ける者の商標として、ある同盟国において広く認識されているものと権限のある当局が認めるものの複製であり、かつ同一の商品について使用される商標について、その登録を行政機関が職権で無効とすることができる旨、当該同盟国の法令が定めることは、パリ条約に違反しない。
  3. パリ条約の利益を受ける者の商標として、ある同盟国において広く認識されているものと権限のある当局が認めるものの複製であり、かつ同一の商品について使用される商標について、利害関係人が使用の禁止を請求することができる期間について定めることは、一定の場合を除き、当該同盟国の法令に委ねられている。
  4. パリ条約の利益を受ける者の商標として、ある同盟国において広く認識されているものと権限のある当局が認めるものと比較して、要部が当該商標の複製であり、かつ同一の商品について使用される商標について、その登録を無効とすることができる旨、当該同盟国の法令が定めることは、パリ条約に違反しない。
  5. パリ条約の利益を受ける者の商標として、ある同盟国において広く認識されているものと権限のある当局が認めるものの複製であり、かつ同一の商品について使用される商標について、その登録を登録異議の申立てにより取り消すことができる旨、当該同盟国の法令が定めることは、パリ条約に違反しない。

[編集] 解説

  1. について。周知商標と同一又は混同を生じる商標について悪意を持って登録を受けた商標の無効を請求することができる期間については、期間を定めないこととする(パリ条約6条の2(3))。従って、この選択肢は誤っている。
  2. について。職権で当該登録を無効にできる旨を、同盟国の法令が定めてもパリ条約に違反しない(パリ条約6条の2(1))。
  3. について。当該商標の登録無効の請求ができる期間は,登録の日から少なくとも5年の期間を認めなければならないという制限はあるが、同盟国の法令で期間を定めることができる(同6条の2(2))。従って、この選択肢は正しい。
  4. について。一の商標の要部が周知商標の複製である場合にも、その登録を無効とすることができる(同6条の2(1))。
  5. について。登録異議の申立てとは、一般公衆に商標登録の拒絶の機会を与えるものであり、商標登録を無効とするのと同様に権利を消滅させるものであるので、本問の場合もパリ条約に違反しない(同6条の2(1))。従って、この選択肢は正しい。
解答:1

[編集] 〔36〕特許協力条約に基づく国際出願に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 出願人は、国際出願が規則に定める発明の単一性の要件を満たしていないことに自ら気づいた場合、追加手数料を受理官庁に支払うことができる。
  2. 国際出願が受理された時に発明の名称が欠落していた場合、その国際出願に基づいてパリ条約による優先権の主張をすることはできない。
  3. 国際調査機関が国際調査報告を作成しないで見解書を作成した場合でも、当該見解書は、国際公開の対象とはならない。
  4. 出願人は、国際調査機関から国際出願が規則に定める発明の単一性の要件を満たしていない旨の通知を受けた場合、請求の範囲について1回に限り補正書を提出することができる。
  5. 出願人は、国際出願について、パリ条約による優先権の主張をすることができるが、一旦申し立てた優先権の主張は、いかなる場合でも取り下げることができない。

[編集] 解説

  1. について。国際出願は、発明の単一性を満たさなければならない(PCT3条(4)(ⅲ))。よって、発明の単一性の要件を満たしていないと気づいた場合でも追加手数料を支払うことは出来ない。ただし、国際調査機関又は国際予備審査機関が、発明の単一性の要件を満たしていないと認める場合には、出願人に対して、追加手数料の支払を求める場合がある(同17条(3)(a)、34条(3)(a))。従って、この選択肢は誤っている。
  2. について。国際出願に、発明の名称が欠落していたとしてもPCT11条(1)の要件を満たしていれば、国際出願の受理の日が国際出願日として認められる(PCT11条(1))。また、パリ優先権は、パリ条約の同盟国に出願をした日付を確定するために十分なすべての出願を基にして優先権を主張することができる(パリ条約4条A(3))。よって、当該国際出願を基礎にしてパリ優先権を主張することが出来る。従って、この選択肢は誤っている。
  3. について。国際調査機関が作成した見解書は国際公開の対象とはならない(特許協力条約に基づく規則48.2)。従って、この選択肢は正しい。
  4. について。国際調査機関が発明の単一性の要件を満たしていないと認めた場合には、出願人は追加手数料の支払をすることができるが(PCT17条(3)(a))、請求の範囲について1回に限り補正をすることができるのは、国際調査報告を受け取った後である(PCT19条(1))。従って、この選択は誤っている。
  5. について。出願人は、優先権の主張を優先日から30箇月を経過する前にいつでも取り下げることができる(PCT規則90の2.3(a))。従って、この選択肢は誤っている。
解答:3

[編集] 〔38〕知的所有権の貿易関連の側面に関する協定に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 加盟国は、特許出願人に対し、出願日又は、優先権が主張される場合には、当該優先権に係る出願の日において、発明者が知っている当該発明を実施するための最良の形態を示すことを要求しなければならない。
  2. 加盟国は、特許出願人に対し、外国における出願及び特許の付与に関する情報を提供することを要求しなければならない。
  3. 特許のいわゆる強制実施権の許諾に関する決定の法的な有効性は、加盟国において司法上の審査又は他の独立の審査(別個の上級機関によるものに限る。)に服するものとしなければならない。
  4. 特許を取り消し又は特許権を消滅させる決定については、司法上又は行政上の審査の機会が与えられなければならない。
  5. 加盟国は、特許出願人に対し、その発明をその技術分野の専門家が実施することができる程度に明確かつ十分に開示することを要求する必要はない。

[編集] 解説

  1. について。発明者が知っている当該発明を実施するための最良の形態を示すことを要求することができるが(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(以下、TRIPS協定)29条1項)、しなければならないわけではない。従って、この選択肢は誤っている。
  2. について。外国における出願及び特許の付与に関する情報を提供することを要求することができるが(TRIPS協定29条2項)、しなければならないわけではない。従って、この選択肢は誤っている。
  3. について。TRIPS協定31条(i)の通り。従って、この選択肢は正しい。
  4. について。司法上の審査の機会が与えられるが、行政上の審査の機会についての規定はない(TRIPS協定32条)。従って、この選択肢は誤っている。
  5. について。加盟国は、当該事項を要求する(TRIPS協定29条1項)。従って、この選択肢は、誤っている。
解答:3

[編集] 〔43〕特許協力条約に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 国際予備審査の請求の取下げの通告は、国際事務局に対して提出されるものであるが、出願人が取下げの通告を国際予備審査機関に提出した場合には、当該通告は、受理の日付を付して国際予備審査機関から速やかに国際事務局に送付され、当該日付に国際事務局に提出されたものとみなされる。
  2. 各機関の主観の入り込む余地を排除するため、特許協力条約には、国際予備審査機関は単一の機関とすることが究極の目的である旨規定されている。
  3. 国際調査機関として行動する国内官庁が国際予備審査機関としても行動する場合において、当該国内官庁が希望するときは、出願人の希望とは関係なく、国際予備審査は国際調査と同時に開始される。
  4. 国際予備審査報告は、国際出願の国際公開の言語又は国際予備審査の行われた翻訳文の言語で作成され、附属書類と共に出願人及び国際事務局に送付されるが、選択官庁が国際予備審査報告を英語に翻訳することを要求する場合は、出願人は自らその翻訳文を作成し、選択官庁に送付しなければならない。
  5. 国際予備審査機関は、希望するときは、追加の書面による見解を示すことができる。また、国際予備審査機関は、出願人の請求により、出願人に対し、補正書又は抗弁を提出するための機会を与えることができるが、この機会を2回以上与えることはできない。

[編集] 解説

  1. について。特許協力条約に基づく規則(以下、PCT規則)90の2.4(b),(c)の通り。従って、この選択肢は正しい。
  2. について。PCTには、本問のような規定は無い。従って、この選択肢は誤っている。
  3. について。当該国内官庁が希望するときは、国際調査と同時に国際予備審査を開始することができるが(PCT規則69.1(b))、出願人が提出した、第19条の規定に基づく補正書の記述に、国際予備審査の開始を延期することを希望する旨の表示(53.9(b))を含む、などの場合には、国際予備審査機関は延期される(69.1(d),(e))。従って、この選択肢は誤っている。
  4. について。国際予備審査報告の翻訳文は、国際事務局が作成して、付属書類とともに、国際事務局が各選択官庁に送達する(PCT36条(3)(a),(b))。(付属書類の翻訳文は、出願人が作成する)。従って、この選択肢は誤っている。
  5. について。国際予備審査機関は、希望するときは、追加の書面による見解を示すことができる(PCT規則66.4(a))ので本問の前半の文は正しい。しかし国際予備審査機関は、出願人の請求により、出願人に対し、補正書又は抗弁を提出する1又は2以上の追加の機会を与えることができる(同規則(b))ので、本問の後半の文は誤っている。従って、この選択肢は誤っている。
解答:1

[編集] 〔54〕パリ条約のストックホルム改正条約に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 各同盟国の国民は、自国が国内法令で、他の同盟国の国民に対し、工業所有権の保護に関し、現在与えており又は将来与えることがある利益に限り、当該他の同盟国において当該利益を享受する。
  2. 同盟国Xにおいて開催された公の国際博覧会に出品された産品に関し、国内法令に従い仮保護が与えられる発明につきX国に国内出願をし、当該国内出願を基礎として優先権の主張をして、同一の対象について他の同盟国Yに特許出願をした場合、Y国は、その産品を当該博覧会に搬入した日から優先期間が開始するものとすることができる。
  3. パリ条約には、同盟国Xが、他の同盟国Yの国民に対して、X国の内国民に課される手続と異なる手続を課すことを許容する旨の規定がある。ただし、同盟に属しない国Zの国民であって、Y国の領域内に住所を有する者に対して、X国の内国民に課される手続と異なる手続を課すことはできない。
  4. いずれかの同盟国においてサービス・マークの登録出願をした者は、他の同盟国においてそのサービス・マークの登録出願をすることに関し、商標について定められた優先期間中、優先権を有する。
  5. 登録商標について使用を義務づけている同盟国においては、3年以上の期間継続して使用することなく、かつ、当事者がその不作為につきそれが正当であることを明らかにしない場合には、当該商標の登録の効力を失うものとしなければならない。

[編集] 解説

  1. について。パリ条約では、本問のような相互主義ではなく内国民待遇を原則としている(パリイ条約2条)。よって、各同盟国の国民は、自国が他の同盟国の国民に与える利益に係らず、当該他の同盟国の法令が内国民に対し現在与えており又は将来与えることがある利益を享受する。従って、この選択肢は誤っている。
  2. について。同盟国の主管庁は,その産品を博覧会に搬入した日から優先期間が開始するものとすることができる(パリ条約11条)。従って、この選択肢は正しい。
  3. について。パリ条約の他の同盟国の国民に対しては、内国民待遇が原則であるが(パリ条約2条(1))、司法上及び行政上の手続等については、内国民に課される手続と異なる手続を課すことを許容する(同条(3))。よって、本問の前半は正しい。また、同盟に属しない国の国民であっても同盟国の領域内に住所等を有するものは、同盟国の国民とみなされるので(3条)、内国民に課される手続と異なる手続を課すこともできる。よって、後半は誤っている。従って、この選択肢は誤っている。
  4. について。パリ条約では、サービスマークについての優先権の規定がない(パリ条約4条、6条の6)。従って、この選択肢は誤っている。
  5. について。「3年以上の期間」ではなく「相当の猶予期間」であり、また「登録の効力を失うものとしなければならない」ではなく、「登録の効力を失わせることができる」である(パリ条約5条C(1))。
解答:2

[編集] 〔58〕知的所有権の貿易関連の側面に関する協定における知的所有権の取得及び維持並びにこれらに関連する当事者間手続に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。

  1. 加盟国は、地理的表示に関する知的所有権の取得又は維持の条件として、合理的な手続及び方式に従うことを要求することができる。
  2. 加盟国は、集積回路の回路配置に関する知的所有権の取得又は維持の条件として、合理的な手続及び方式に従うことを要求することができる。
  3. 加盟国は、著作権及び関連する権利の取得又は維持の条件として、合理的な手続及び方式に従うことを要求することができる。
  4. 1967年のパリ条約第4条の優先権の規定は、サービス・マークについて準用する。
  5. 知的所有権の取得について権利が登録され又は付与される必要がある場合には、加盟国は、権利の取得のための実体的な条件が満たされていることを条件として、保護期間が不当に短縮されないように、権利の登録又は付与のための手続を合理的な期間内に行うことを確保しなければならない。

[編集] 解説

  1. について。加盟国は、第二部の第二節から第六節までに規定する知的所有権の取得又は維持の条件として、合理的な手続及び方式に従うことを要求することができる(TRIPS協定62条)。よって、第三節に既定されている地理的表示もこれに該当する。従って、この選択肢は正しい。
  2. について。集積回路の回路配置は、第二部の第六節に既定されているので、同協定62条に該当する。従って、この選択肢は正しい。
  3. について。著作権及び関連する権利は、第二部の第一節に既定されているので、同協定62条に該当しない。従って、この選択肢は誤っている。
  4. について。同協定62条3項の通り。従って、この選択肢は正しい。
  5. について。同協定62条2項の通り。従って、この選択肢は正しい。
解答:3