平成19年短答式 特許・実用新案
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[編集] 〔1〕特許法に規定する審決取消訴訟等に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
- 甲及び乙の共有に係り、請求項1及び2に係る発明についての特許に対し、丙及び丁が共同して、甲及び乙を被請求人とし、特許無効審判を請求したところ、請求項1に係る発明についての特許を無効とし、請求項2に係る審判請求は成り立たない旨の審決がされた。そこで、甲は、丙及び丁を被告として、当該審決のうち、請求項1に係る部分の取消しを求める訴え(訴訟A)を提起し、丙は、甲及び乙を被告として、請求項2に係る部分の取消しを求める訴え(訴訟B)を提起した。訴訟Bは適法な訴えであるが、訴訟Aは不適法な訴えである。
- 特許無効審判の審決に対する訴えが提起された場合、裁判所は、遅滞なく、特許庁長官に対し当該訴訟の訴状の副本を送付するとともに、当該訴訟の手続が完結したときは、遅滞なく、特許庁長官に各審級の裁判の正本を送付しなければならない。
- 特許無効審判の審決に対する訴えが提起された場合、裁判所は、当事者の同意を得なければ、特許庁長官に対し、当該事件に関する特許法の適用その他の必要な事項について意見を求めることができず、特許庁長官は、裁判所の許可を得なければ、裁判所に対し、当該事件に関する特許法の適用その他の必要な事項について意見を述べることができない。
- 特許庁長官が、手続が特許法で定める方式に違反するものとして、相当の期間を指定して、その手続の補正をすべきことを命じたが、当該手続をした者がその指定された期間内にその補正をしなかったため、特許庁長官はその手続を却下した。この処分に対する不服申立ては、当該処分についての異議申立てに対する決定を経てから、東京高等裁判所に当該処分の取消しの訴えを提起することにより行わなければならない。
- 特許無効審判において、審判請求人が、当該特許について、進歩性欠如により無効にされるべきであると主張したが、当該審判請求は成り立たないとの審決がされた。そこで、審判請求人は、この審決に対する訴えを提起し、審決はその判断が誤っているから取り消されるべきであると主張するとともに、予備的に、仮に審決の当該判断が正しいとしても、当該特許発明が発明の詳細な説明に記載されたものではないので、当該特許は無効であると主張した。裁判所は、審判請求人の当該予備的主張に理由があっても、これについて審理判断することは許されない。
[編集] 解説
- について。特許法132条3項では、特許権の共有者が審判を請求するときは共有者の全員が共同して請求しなければならないと規定しているが、これは訂正審判や特許権の存続期間の延長登録の拒絶査定に対する不服の審判等を想定していると解される。特許無効審判の審決取消訴訟は、特許権が無効になるのを防ぐための保存行為として、単独で審決取消訴訟を提起することができる。(平成13(行ヒ)154 特許取消決定取消請求事件)したがって訴訟Aは適法である。また、審決等に対する訴えは、当事者、参加人等が提起することができる(特許法178条2項)。したがって、共同出願人の一人である丙が単独でも審決取消訴訟を提起することができるので訴訟Bは適法である。したがってこの選択肢は誤っている。
- について。特許無効審決取消訴訟が提起された場合、裁判所は、遅滞なく、その旨を特許庁長官に通知しなければならないが(特許法180条)、副本の送達は必要ない。したがってこの選択肢は誤っている。当該訴訟の手続が完結したときは、遅滞なく、特許庁長官に各審級の裁判の正本を送付しなければならない(特許法182条)。
- について。裁判所は、当事者の同意を得なくても、特許庁長官に対し、必要な事項について意見を求めることができる(特許法180条の2等)。したがってこの選択肢は誤っている。特許庁長官は、裁判所の許可を得なければ、裁判所に対し、必要な事項について意見を述べることができないという部分は正しい(特許法180条の2第2項)。
- について。当該処分の取消の訴えは、異議申し立てに対する決定以外でも、審査請求に対する決定又は裁決を経た後に提起することができる。(特許法184条の2)。したがってこの選択肢は誤っている。
- について。審決取消訴訟は、審決について争う。審決以外のことを審理判断することは許されない。したがってこの選択肢は正しい。
解答:5
[編集] 〔5〕特許法に規定する手続に関し、次の(イ)~ (ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
- (イ) 2人以上が共同して特許出願をし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、その代表者のみでその特許出願の取下げを行うことができる。
- (ロ) 成年被後見人が自らした発明について、法定代理人によらずに自ら特許出願をしたときは、法定代理人による追認がない限り、当該出願手続が有効となることはない。ただし、後見監督人はないものとする。
- (ハ) 日本国内に住所又は居所を有する者であって手続をするものの委任による代理人は、特別の授権を得なくとも、特許法第41条第1項の規定による国内優先権の主張をすることができる。
- (ニ) 外国語書面出願の出願人は、当該外国語書面及び外国語要約書面を添付した願書の記載について補正をすることができない。
- (ホ) 特許発明の技術的範囲についての特許庁の判定の結論に対する不服については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ以上
- なし
[編集] 解説
- (イ)について。2人以上が共同して手続きをしたときは、特許法14条に挙げられている手続き以外は各人が単独で行うことができる。代表者の定めがあるときは、同法14条に挙げられている手続き以外は代表者が行わなくてはならない。代表者の定めに関わらず同法14条に挙げられている手続きは全員で行わなくてはならない。出願の取下げも同法14条に挙げられているため手続きは全員で行わなくてはならない。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ロ)について。成年被後見人が手続をする能力を取得したときは、本人が追認することにより、当該出願手続が有効となる。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ハ)について。日本国内に住所又は居所を有する者であつて手続をするものの委任による代理人は、特別の授権を得なければ、第41条第1項の優先権の主張をすることができない(特許法9条)。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ニ)について。外国語書面出願の出願人は、当該外国語書面及び外国語要約書面について補正をすることはできないが、願書について補正をすることはできる。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ホ)について。判定は行政処分ではなく、行政不服審査法による不服の申立てをすることはできない。したがってこの選択肢は正しい。ちなみに、判定請求について、手続上の不備があり、決定をもって却下されたような場合には、行政不服審査法及び行政事件訴訟法の適用が認められる。(審判便覧58-判定・裁判所からの鑑定の嘱託、58-00、58-02)、(特許庁審判部編「審判請求のてびき」(改訂第6版、平10.12.8))。
解答:1
[編集] 〔10〕特許出願の審査に関し、次の(イ)~ (ニ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
- (イ) パリ条約による優先権の主張を伴って我が国になされた特許出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した事項が、当該優先権の主張の基礎とする出願に係る出願書類(明細書、図面等を含む。)に記載した事項の範囲内になかった。この場合、審査官は、当該特許出願人に対し、そのことを理由として拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
- (ロ) 2以上の発明を包含する特許出願Aの一部を分割して新たな特許出願Bをした場合、Bの願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した事項が、Aの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内になかった。この場合、審査官は、当該特許出願人に対し、そのことを理由として拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
- (ハ) 外国語書面出願の願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた外国語書面の翻訳文に記載した事項が、外国語書面に記載した事項の範囲内になかった。この場合、審査官は、当該特許出願人に対し、そのことを理由として拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
- (ニ) 特許法第17条の2第1項第3号に規定する最後に受けた拒絶理由通知に対してなされた特許請求の範囲についてした補正が、請求項の削除を目的とするものでも、特許請求の範囲の減縮を目的とするものでも、誤記の訂正を目的とするものでもなく、また、明りょうでない記載の釈明を目的とするものでもなかった。この場合、審査官は、当該特許出願人に対し、そのことを理由として拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
- 1 1つ
- 2 2つ
- 3 3つ
- 4 4つ
- 5 なし
[編集] 解説
- (イ)について。パリ条約の同盟国は、パリ条約4条に定める手続がされなかつた場合には、優先権の喪失を限度とする効果を定める(パリ条約4条D(4))。したがって、拒絶の理由は通知されずに優先権のみ喪失する(特許・実用新案審査基準第Ⅳ部第1章4.1(2))。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ロ)について。分割出願の明細書、特許請求の範囲、又は図面が、原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲、または図面に記載した事項の範囲内でない新規事項を含んでいる場合には、その分割は不適法なものとなる。不適法な分割がなされたときには、分割出願の出願時は遡及せず、分割出願の出願時に出願されたものとされる。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ハ)について。問題文の場合は拒絶理由に該当する(特許法49条1項6号)。したがってこの選択肢は正しい。
- (ニ)について。最後の拒絶理由に対する補正が規定に違反しているので補正が却下され(特許法53条1項)、拒絶査定になる(同法50条1項)。したがってこの選択肢は誤っている。
解答:3
[編集] 〔11〕特許法に規定する特許料、手数料等に関し、次の(イ)~ (ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
- (イ) 特許庁長官は、発明者であって資力に乏しい者として政令に定める要件に該当する者が、自己の特許出願の出願手数料を納付することが困難であると認めるときであっても、その手数料を軽減し、又は免除することはできない。
- (ロ) 拒絶査定不服審判の審判請求人が、特許をすべき旨の審決を受けて特許権の設定の登録を受けようとするときは、第1年から第3年までの各年分の特許料を、当該審決の謄本の送達があった日から30日以内に一時に納付しなければならないが、納付すべき者の請求により、審判長は、30日以内を限り、納付期間を延長することができる。
- (ハ) 利害関係人が特許権者の了解を得て納付した特許料に過誤納があった場合、特許権者の請求により、過誤納の特許料は返還される。
- (ニ) 株式会社甲と株式会社乙が合併して株式会社丙となった場合、株式会社甲の所有する特許出願後の特許を受ける権利の承継についての届出を、株式会社丙が行うときは、政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
- (ホ) 特許出願Aについて、第三者が出願審査の請求を行った。その後、特許出願人は、Aの出願の日から1年以内に、Aを基礎とする特許法第41条の規定による国内優先権の主張を伴う特許出願Bをした。この場合、Aについて納付された出願審査の請求の手数料は、Aの出願の日から1年3月を経過した時から6月以内に出願審査の請求をした者から返還の請求があれば、政令で定める額について、返還されることがある。
- 1 1つ
- 2 2つ
- 3 3つ
- 4 4つ
- 5 5つ
[編集] 解説
- (イ)について。減免又は猶予の対象となるのは第1年から第3年までの各年分の特許料であり、出願手数料は減免又は猶予の対象とはならない(特許法109条)。したがってこの選択肢は正しい。
- (ロ)について。第1年から第3年までの各年分の特許料は、納付すべき者の請求により延長することはできるが、当該請求は審判長ではなく特許庁長官に対してしなければならない(特許法108条3項)。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ハ)について。過誤納の特許料は、納付した者の請求により返還される(特許法111条1項1号)。したがって本問の場合は利害関係人が請求しなければならない。したがってこの選択肢はあやまっている。
- (ニ)について。株式会社の合併による権利の承継は一般承継であり、権利の承継の届出の際に手数料の納付は不要である(特許法195条1項3号)。したがってこの選択肢は誤っている。
- (ホ)について。出願審査の請求をした後に当該特許出願が取り下げられたときは、出願審査請求の手数料は、納付した者が、特許出願が取り下げられた日から6月以内に請求することにより政令で定める額が返還される(特許法195条9項及び10項)。優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から1年3月を経過した時に取り下げたものとみなされる。したがって、当該手数料は請求により変換される。したがってこの選択肢は正しい。
解答:2
[編集] 〔16〕特許権、専用実施権及び通常実施権に関し、次の(イ)~ (ホ)の記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1~5のうち、どれか。
- (イ) 特許権者は、その特許権の全部について専用実施権を設定したときであっても、当該特許権に基づく差止請求権の行使をすることができる場合がある。
- (ロ) 専用実施権者は、その専用実施権について質権を設定することができる場合はない。
- (ハ) 専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内においても、当該専用実施権に基づく差止請求権の行使をすることができない場合がある。
- (ニ) 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者全員の同意を得なければ、その特許発明の実施をすることができない場合がある。
- (ホ) 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者全員の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定することができないが、他の共有者全員の同意を得なくとも、他人に通常実施権を許諾することができる場合がある。
- (イ)と(ニ)
- (イ)と(ホ)
- (ロ)と(ハ)
- (ロ)と(ニ)
- (ハ)と(ホ)
[編集] 解説
- (イ)について。特許権者は、その特許権に専用実施権を設定したときでも、当該特許権に基づく差止請求権の行使をすることが出来る(特許法100条)。したがって、この選択肢は正しい。
- (ロ)について。専用実施権者は、特許権者の承諾を得た場合にはその専用実施権について質権を設定することができる(特許法77条4項)。したがって、この選択肢は誤っている。
- (ハ)について。専用実施権者は差止請求権の行使をすることができる(特許法100条)。専用実施権が共有に係る場合でも他の共有者の同意は不要である(同法77条5項、73条)。したがて、この選択肢は誤っている。
- (ニ)について。特許権が共有に係るときに、各共有者は契約で別段の定めをしたときは、特許発明の実施をするために他の共有者の同意が必要である(特許法73条2項)。したがって、この選択肢は正しい。
- (ホ)について。特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について通常実施権も許諾することができない(特許法73条3項)。したがって、この選択肢は誤っている。
解答:1
[編集] 〔18〕特許法に規定する訂正審判及び訂正の請求に関し、次の(イ)~ (ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
ただし、特許は、外国語書面出願に係るものでも国際出願に係るものでも実用新案登録に基づく特許出願に係るものでもなく、分割出願又は変更出願に係るものでもないものとする。
- (イ) 同一の特許に対して2件の特許無効審判が請求され、そのうちの一方について審決がなされ、その取消訴訟が提起されたときは、他方の特許無効審判が特許庁に係属していても、当該訴訟の提起があった日から起算して一定期間内は、訂正の審判を請求することができる。
- (ロ) 特許権者が、誤記の訂正を目的として願書に添付した明細書を訂正することについて訂正審判を請求する場合、その訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
- (ハ) 特許無効審判において、被請求人が、審判長が指定した期間内に、願書に添付した明細書の訂正の請求Aを適法にした後、その期間内に、願書に添付した明細書の訂正の請求Bを適法にした場合、訂正の請求Aは、常に、取り下げられたものとみなされる。
- (ニ) 特許無効審判の被請求人が、特許無効審判の請求がされている請求項について、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を請求し、その訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないとき、審判長は、常に、被請求人に訂正拒絶理由を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
- (ホ) 特許無効審判の審決に対する取消訴訟において、裁判所が当該審決を取り消すとの決定をし、この決定が確定して、当該事件が審判官に差し戻された。これを受けて開始された審判の審理において、審判長は、常に、被請求人に対し願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求するための相当の期間を指定しなければならない。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
- 5つ
[編集] 解説
- (イ)について。審判は一つずつ独立しているので、他方の特許無効審判が特許庁に継続していても訂正審判を請求することができる。したがって、この選択肢は正しい。
- (ロ)について。訂正審判において、誤記の訂正は、願書に最初に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてすることができる(特許126条3項括弧書き)。したがって、この選択肢は正しい。
- (ハ)について。特許法134条の2第4項より正しい。したがって、この選択肢は正しい。
- (ニ)について。特許無効審判における訂正請求では、特許無効審判の請求がされている請求項の独立特許要件の審理はされない(特許法134条の2第5項)。無効審判の審理の対象となっているため訂正請求ではなく、無効審判で審理される。したがって、この選択肢は誤っている。
- (ホ)について。審判長は、取消の判決の確定の日から一週間以内に被請求人から申立てがあった場合に限り、明細書等の訂正を請求するための相当の期間を指定することができる。(特134条の3第1項)。したがって、この選択肢は誤っている。
解答:3
[編集] 〔21〕特許法第29条の2の規定(いわゆる拡大された範囲の先願)に関し、次の(イ)~ (ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
ただし、特許出願は、外国語書面出願でも国際出願に係るものでも実用新案登録に基づく特許出願でも変更に係るものでもなく、特に文中に示した場合を除き、分割に係るものでもなく、いかなる優先権の主張も伴わないものとする。
- (イ)甲は、自らした発明イについて特許出願Aをした後、Aを基礎とする特許法第41条の規定による国内優先権の主張を伴って発明イ及び自らした発明ロについて特許出願Bをし、その後、Bの一部を分割して発明イについて新たな特許出願Cをした。乙は、自らした発明イについてBの出願の日後Cの出願の日前に特許出願Dをした。この場合、Bについて出願公開がされなくとも、Cについて出願公開がされたときは、Aについて出願公開がされたものとみなされ、Dは、Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶される場合がある。ただし、Aを基礎とする国内優先権の主張は取り下げられておらず、A及びBについて出願審査の請求も、出願公開の請求もされていないものとする。
- (ロ) 甲が自らした発明イを刊行物に発表したことにより、発明イを知った乙は、自らした発明ロについて特許出願Aをし、発明イを甲がしたものとしてその願書に最初に添付した明細書に記載した。その後、甲は、Aの出願公開前に、発明イについて発明の新規性の喪失の例外(特許法第30条)の規定の適用を受けた特許出願Bをした。この場合、Aについて出願公開がされても、Bは、Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶される場合はない。
- (ハ)甲は、自らした発明イ及びロについて特許出願Aをした後、Aを基礎とする特許法第41条の規定による国内優先権の主張を伴う特許出願Bをした。乙は、自らした発明イについてAの出願の日後Bの出願の日前に特許出願Cをした。この場合、Bについて出願公開がされたときは、Aの願書に最初に添付した明細書に発明イが記載されていれば、Bの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に発明イが記載されていなくても、Cは、Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶される場合がある。ただし、Aを基礎とする国内優先権の主張は取り下げられておらず、Aについて出願審査の請求も、出願公開の請求もされていないものとする。
- (ニ) 甲が自らした発明イ及びロについて特許出願Aをし、乙は、自らした発明イについてAの出願の日後Aの出願公開前に特許出願Bをした。その後、甲は、Aについて補正をし、発明イがAの願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面から削除された。この場合、Aについて出願公開がされたときは、Bは、Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶される場合がある。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
- なし
[編集] 解説
- (イ)について。分割後の新たな特許出願が第29条の2に規定する他の特許出願に該当する場合には、拡大された範囲の先願の適用がない(特許法44条2項)。したがって、この選択肢は誤っている。
- (ロ)について。他の出願に記載された発明をした者が、当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明は、拡大された範囲の先願とはならない(特許法29条の2)。したがって、この選択肢は正しい。
- (ハ)について。発明イが、先の出願である出願Aと後の出願である出願Bの両方に記載されていれば、出願Cは、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶される場合があるが(特許法29条の2)、出願Aの当初明細書等にのみ記載され、後の出願である出願Bの当初明細書等には記載されていない発明については、出願公開がされたものとみなされない(特許法41条3項)。したがって、第29条の2の規定は適用されない(特許・実用新案審査基準 第Ⅱ部第3章 特許法第29条の2 2.2(5))。したがって、この選択肢は誤っている。
- (ニ)について。拡大された範囲の先願となるのは、願書に最初に添付した明細書等に記載された発明等である(特許法29条の2)。補正で発明イが削除されたとしても、補正が出来る期間内であれば発明イを復活させることも考えられるからである。したがって、この選択肢は正しい。
解答:2
[編集] 〔22〕特許法における審判及び再審に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、特許は、外国語書面出願に係るものでも国際出願に係るものでも実用新案登録に基づく特許出願に係るものでもなく、分割出願又は変更出願に係るものでもないものとする。
- 2以上の請求項に係る特許に対して、そのすべての請求項に係る特許の無効を求める特許無効審判が請求され、当該特許無効審判の審理の終結が通知されるまでの間に、1の請求項に係る特許について放棄の手続がされた。この場合、審判官は、放棄された請求項に係る特許の無効理由の存否についても審理しなければならない。
- 特許無効審判の確定審決に対して再審が請求され、再審の審理が開始された。この場合、審判官は当事者又は参加人が申し立てない理由についても審理することができる。
- 特許無効審判の被請求人甲は、特許無効審判の手続において訂正請求をしたが、「訂正を認める。特許第○○○○号の特許を無効とする。」との審決がされたことから、審決取消訴訟を提起するとともに、訴えの提起があった日から起算して90日以内に訂正審判を請求した。この場合において、甲は、当該審決において訂正が認められた願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面を基準として訂正審判を請求しなければならない。
- 特許Aについて訂正審判が請求され、審判官が審理したところ、特許Aには、登録されていない許諾による通常実施権者甲が存在し、当該訂正審判は、甲の承諾を得ることなく請求されたことが明らかとなった。この場合、特許権者は当該訂正審判の請求を取り下げ、甲の承諾を得た上で改めて訂正審判を請求しなければならない。
- 甲社は、その従業者乙がその職務においてした発明イについて、特許を受ける権利を承継することなく特許出願し、特許権の設定の登録を得た後、同業者の丙社に対し、丙社の製造販売する製品は発明イについての特許権を侵害する旨の警告をした。この場合において、従業者乙は、当該特許がいわゆる冒認の特許出願に対してされたことを理由とする特許無効審判を請求することができるが、丙社は、そのことを理由とする特許無効審判を請求することができない。
[編集] 解説
- について。特許権の放棄は、登録した時から効力を生じる(特許法98条1項1号)。一方、特許無効審決が確定したときは、特許権は、初めから存在しなかつたものとみなされるか、後発的無効事由(特許法123条1項7号)の場合には、その特許が同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなされるので(特125条)、特許権の放棄の登録の前に、特許権が有効に存続していた期間を無効にすべきか否かを判断する意味がある(審判便覧51-03 1.審判請求できる時期(注2))。したがって、この選択肢は正しい。
- について。再審では、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができるという特許法153条1項の規定を準用していない。よって、当事者又は参加人が申し立てない理由については審理することができない。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができる(特許法126条)。また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは、その訂正後における明細書、特許請求の範囲又は図面により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなされ、これは訂正の請求でも準用されている(特許法134条の2第5項で準用する特許法128条)。この問では、審決取消訴訟を提起していることから審決は確定していない。よって、訂正後の明細書等ではなく訂正前の明細書等を基準として訂正審判を請求しなければならない。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。許諾による通常実施権者の承諾を得ずに訂正審判が請求された場合には、審判長は方式違反として補正命令をすることができる((特許法133条2項2号、特許法127条、審判便覧54-04 2.(1)例3)。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。いわゆる冒人出願である特許登録に対する無効審判は、利害関係人が請求することが出来る(特許法123条2項)。本問の場合丙社は、甲社から、甲社の特許権を侵害する旨の警告を受けていることから利害関係人と言えるので、冒人出願を理由とする無効審判を請求することができる。したがって、この選択肢は誤っている。
解答:1
[編集] 〔27〕特許等の無効に関し、次の(イ)~ (ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
- (イ) 特許権の設定の登録がされた後、当該特許が条約に違反することとなったことを理由として当該特許を無効とすべき旨の審決が確定したときは、当該特許について、進歩性欠如を理由として新たに特許無効審判を請求することができない。
- (ロ) 特許権侵害の罪により有罪の判決が確定した後、当該特許権について、真の発明者により、いわゆる冒認の特許出願に対して特許がされたことを理由とする特許無効審判が請求された。その審判の審理の結果、当該特許を無効とする旨の審決がされ、その審決が確定した。この場合、当該確定判決に対して、再審の請求をすることができる。
- (ハ) 特許権侵害訴訟の判決において、当該特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認められ、その判決が確定した。この場合、その旨が特許原簿に登録されることはない。
- (ニ) 外国語書面出願において、誤訳訂正書によらず、手続補正書を提出して、翻訳文である明細書の補正がなされた。この場合において、当該補正が、当該外国語書面出願の願書に添付した外国語書面の記載の範囲内においてなされたものであるが、当該外国語書面の日本語による翻訳文に記載された事項の範囲内においてなされたものではないときは、そのことを理由として当該出願に係る特許が無効になることはない。
- (ホ) 延長登録無効審判は、特許権が消滅した後においても、請求することができる。
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- 4つ
- 5つ
[編集] 解説
- (イ)について。特許がすでに無効となっている場合には、原則として、その特許に対する無効審判を請求することは出来ないが、当該特許が後発的無効事由(特許法123条1項7号)により無効となっている場合には、特例として、無効になる以前の存続していたものについては請求することができる。これは、例えば特許権の存続期間中の侵害行為に対する損害賠償請求がされた場合、その請求をされた相手方の対抗手段として、無効審判を請求をする意味があるからである((審判便覧51-03「特許(登録)無効審判の請求できる時期」 1.(1))。したがって、この選択肢は誤っている。
- (ロ)について。特許権侵害の罪による有罪の確定判決に対する再審についてである。刑事訴訟法435条1項5号では、次のように規定している。「再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。5.特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。」したがって、この選択肢は正しい。
- (ハ)について。無効審判の請求があったときは、特許原簿に予告登録され(特許登録令3条5項)、審決の原本は、特許原簿の一部とみなされる(特許登録令9条3項)が、本問では、訴訟の判決において、無効にされるべきものと認められただけであり、実際に無効審判が請求されたわけではないので特許原簿には登録されない。したがって、この選択肢は正しい。
- (ニ)について。外国語書面出願の願書に添付した明細書等に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないときは、当該出願に係る特許が無効になるが、本問の場合は無効になることはない(特許法123条1項各号)。したがって、この選択肢は正しい。
- (ホ)について。特許法125条の2第2項において、同法123条3項を準用しているので、延長登録無効審判も、特許権が消滅した後においても、請求することができる。したがって、この選択肢は正しい。
解答:1
[編集] 〔29〕特許を受ける権利及び特許法第35条に規定する職務発明に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
- 特許を受ける権利は、質権の目的とすることはできないが、譲渡担保の目的とすることができる場合がある。
- 職務発明についての相当の対価の請求に係る訴訟においては、特許法第105条の4の規定による秘密保持命令が発せられる場合はない。
- 産業上利用することができる発明をした場合、その発明について特許出願がなされなくても、発明者に特許を受ける権利が発生する。
- 従業者がした発明が職務発明に該当しない場合、使用者は、当該発明についての特許を受ける権利を譲り受けることができる場合はない。
- 従業者が職務発明について特許を受けた後に、当該特許権を使用者に譲渡した場合、その使用者がその特許権について有していた特許法第35条第1項に規定する通常実施権が消滅しない場合がある。
[編集] 解説
- について。特許を受ける権利は、質権の目的とすることが出来ない(特許法第33条)。しかし、これは特許を受ける権利を譲渡担保の目的とすることまで禁止するものではないと解される(工業所有権法逐条解説 特許法第33条)。ちなみに、抵当権の目的にするためには、抵当権の目的にすることが出来ると積極的に規定されていなければならないが、そのような規定は無いことから抵当権の目的には出来ない解される。したがって、この選択肢は正しい。
- について。特許法第105条の4の規定による秘密保持命令が発せられる場合は特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟に限られている。したがって、この選択肢は正しい。
- について。産業上利用することができる発明をした者は、特許を受ける権利を享有する。(特許法第29条柱書き)したがって、この選択肢は正しい。
- について。従業者がした発明が職務発明に該当しない場合、使用者は、あらかじめ使用者等に特許を受ける権利等を契約等で譲り受けることを定めることは出来ない。すなわち職務発明に該当しない場合には予約承継をすることは出来ない。しかし、予約承継ではなくお互いの同意により特許を受ける権利を譲り受けることは、契約自由の原則により、可能である。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。使用者が特許を受ける権利や特許権を取得すると、法定通常実施権は混同により消滅するかは議論がある。特許法第35条第1項は全ての第三者を対象としており、使用者が当該特許権を第三者に譲渡したとしても通常実施権が残るとする見解も、労使双方の利害の調和を図ろうとする特許法第35条の趣旨に適うとする説もある。しかし特許法が使用者に実施権を認めたのは、従業者の同意を擬制できる使用者の実施を対第三者的にも保障するためである。そのため使用者が従業者から特許を受ける権利を取得したならば最早使用者の実施が妨げられることはないから、実施権を存続させる必要はない。しかも職務発明であるために通常実施権が永久に使用者に付着するならば取引の安全を害する。従って使用者が特許権を承継すれば通常実施権は消滅し、以後の使用者による当該特許権を譲渡は通常実施権の付着していない完全な特許権の譲渡になる。他方、使用者が譲り受けた特許権に専用実施権が設定されていた場合は、第三者の権利の目的となっているため存続する。
解答:4
[編集] 〔31〕特許無効審判に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
- (イ) 特許無効審判において、審判請求人は進歩性欠如を理由とする無効を申し立てた。この場合、審判官は、進歩性欠如を理由とする無効が申し立てられた請求項について、進歩性欠如以外の無効理由の存否を審理することができる。
- (ロ) 特許無効審判において、被請求人を補助するための参加人は、当該特許権の無効理由がないことについて、被請求人と異なる主張をすることができる。
- (ハ) 特許無効審判の請求は、相手方の承諾を得ることなく取り下げることができる場合はない。
- (ニ) 当事者の双方又は一方が同一である2以上の特許無効審判において、審理を併合する場合、審判長は、当事者又は参加人に対し、相当の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えなければならない。
- (ホ) 特許無効審判において、審判官は、当事者がした自白に拘束されることなく、証拠調べをして、その自白した事実と異なる事実を認定することができる。
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- 2つ
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- 4つ
- 5つ
[編集] 解説
- (イ)について。審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる(特許法第153条1項)。したがって、この選択肢は正しい。
- (ロ)について。補助参加人は、一切の審判手続きをすることができる(特許法第148条4項)。したがって、この選択肢は正しい。
- (ハ)について。特許無効審判の請求は、第134条第1項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない(特許法第155条2項)。よって、答弁書の提出があるまでは、相手方の承諾を得ずに取り下げることができる。したがって、この選択肢は誤っている。
- (ニ)について。審理を併合する場合に、審判長が、当事者又は参加人に対し、意見を申し立てる機会を与えなければならないという規定はない。したがって、この選択肢は誤っている。
- (ホ)について。審判官は、審判において、当事者若しくは参加人の申立により又は職権で、証拠調をすることができる(特許法150条第1項)。また、特許法第151条で準用する民事訴訟法第179条は、「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実」とあるのを「顕著な事実」と読み替えていることから、当事者が自白した事実であっても、それとは異なる事実を認定することができる。したがって、この選択肢は正しい。
解答:3
[編集] 〔34〕特許法又は実用新案法に規定する期間及び手続に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
- 在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時の属する日までに特許管理人を選任していない場合は、その日後14日以内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。
- 2以上の発明を包含する特許出願の出願人は、前置審査に付されたその特許出願についての特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった日から30日以内であれば、その特許出願の一部を1又は2以上の新たな特許出願とすることができる場合がある。
- 2以上の発明を包含する外国語書面出願の一部を分割して1又は2以上の新たな外国語書面出願とした当該外国語書面出願の出願人は、常に、当該分割の日から2月以内にその新たな外国語書面出願に係る外国語書面の翻訳文を提出しなければならない。
- 実用新案登録出願人は、当該実用新案登録出願の日から1月を経過した後は、その出願の願書に添付した実用新案登録請求の範囲について補正をすることができる場合はない。ただし、実用新案登録出願は、国際出願に係るものではないものとする。
- 2以上の発明を包含する特許出願の一部を分割して1又は2以上の新たな特許出願とした特許出願人は、当該分割の日から30日を経過した後であっても、その新たな特許出願について出願審査の請求をすることができる場合がある。
[編集] 解説
- について。在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時の属する日後、経済産業省令で定める日以内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。経済産業省令で定める日とは、特許法施行規則第38条の6の2より、3月である。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。特許出願の分割は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった日から30日以内であればすることができるが(特許法第44条第1項第2号)、前置審査に付された後と、拒絶査定不服審判において査定を取り消されて再度審査が行われた後は除かれている。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。特許出願の分割に係る新たな特許出願についての翻訳文は、もとの特許出願の日から1年2月以内、又は新たな出願から2月以内に提出することができる(特許法第36条の2第2項)。したがって、新たな出願の日から2月経過後であっても、もとの出願の日から1年2月以内であれば翻訳文を提出することができる。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。実用新案登録出願をした者は、出願の日から1月が経過した後は、願書に添付した明細書等について補正をすることができない(実用新案法第2条の2、実用新案法施行令第1条)。しかしこの規定は、自発的に補正をする場合に適用されると解され、実用新案法第2条の2第4項及び同法第6条の2の規定による補正命令を受けた場合には、出願の日から1月を経過した後であっても補正をすることができると解される。したがって、この選択肢は誤っている。
- について。特許出願があったときは、何人も、その日から3年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる(特許法第48条の3第1項) 。また、分割に係る新たな特許出願については、出願から3年経過後であっても、新たな特許出願の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる(同法第48条の3第2項)。したがって、新たな特許出願の日から30日が経過した後であっても、出願の日から3年以内であれば出願審査の請求をすることができる。したがって、この選択肢は正しい。
解答:5
[編集] 〔39〕特許出願についての拒絶査定不服審判及び前置審査に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
ただし、特許出願は、外国語書面出願でも国際出願に係るものでも実用新案登録に基づく特許出願でもなく、分割又は変更に係るものでもないものとする。
- (イ) 拒絶査定不服審判において、新たに拒絶理由が通知され、審判請求人が特許請求の範囲について補正をする場合、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであれば、いかなる補正であってもすることができる。
- (ロ) 拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内に願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正がされた場合において、当該補正が補正の要件(特許法第17条の2第3項から第6項に規定される要件)を満たさないときは、当該理由を審判請求人に通知して相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えることなく、当該補正を却下し、審判の請求は成り立たない旨の審決がされることがある。
- (ハ) 拒絶査定不服審判の請求前にした明細書の補正であって、特許法第17条の2第1項第3号に規定する最後に受けた拒絶理由通知に対する補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされていないものとその審判において認められたとき、そのことを理由として、拒絶理由は通知されるが、当該補正が却下されることはない。
- (ニ) 前置審査において、審査官について審査の公平を妨げるべき事情があるときは、審判請求人は、これを忌避することができる。
- (ホ) 前置審査において、審査官が、拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内にした明細書の補正が願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされていないものと認めた場合であって、その補正を却下すると特許をすべき旨の査定をすることができないと認めたときは、審査官は、その補正を却下するとともに、その審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
- 5つ
[編集] 解説
- (イ)について。特許法第17条の2第4項より、補正の前後で、拒絶理由通知において判断が示された発明について、第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。従って、この選択肢は誤っている。
- (ロ)について。特許法第159条で準用する同法53条(補正の却下)より、補正が却下されるの同法17条の2第1項第1号、第3号又は第4号に掲げる場合である。本問でも拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内にした補正であり、同法17条の2第1項第4号に掲げる場合であるので補正の却下の対象になる。本問の補正は拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内にされたものであるので、補正を却下すべきかどうかは前置審査(同法162条)で判断され、補正を却下すべき場合は、その旨をその理由と共に長官に報告される。その報告書を基にして審判合議体が審理を行い補正却下及び審判の請求は成り立たない旨の審決がなされることもある。従って、この選択肢は正しい。
- (ハ)について。特許法第159条第2項で準用する同法50条(拒絶の理由通知)より、拒絶査定不服審判において、査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した際には拒絶理由通知がされる。また、特許法第159条1項で準用する同法53条(補正の却下)より、拒絶査定不服審判の請求前にした補正に対しては補正が却下されることはない。従って、この選択肢は正しい。
- (ニ)について。忌避は、審判官についてすることはできるが審査官にすることはできない(特許法141条等)。審査官及び審判官とも除斥されることはある(特139条各号,特163条で準用する特48条)。従って、この選択肢は誤っている。
- (ホ)について。特許法164条第2項より審査官は、特許査定をする場合を除き、同法163条第1項において準用する第53条第1項の規定による却下の決定をしてはならない。特許査定とすることが出来ない場合には、補正は却下せずに原査定を維持すべき理由や補正を却下すべき理由を特許庁長官に報告する。従って、この選択肢は誤っている。
解答:2
[編集] 〔40〕特許法に規定する出願公開及び実用新案法に規定する実用新案公報に関し、次の(イ)~ (ホ)の記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1~5のうち、どれか。
ただし、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は実用新案登録請求の範囲、図面及び要約書、並びに、外国語書面及び外国語要約書面には、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある事項の記載又は内容は含まれないものとする。
- (イ) パリ条約による2以上の優先権の主張を伴う特許出願であって、出願公開の請求がなされていないものは、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日から1年6月を経過する前に出願公開が行われる場合はない。なお、他のいかなる優先権の主張も考慮しないものとする。
- (ロ) 願書に添付した要約書の記載に不備があった場合、特許庁長官は、当該要約書に記載した事項に代えて、審査官が作成した事項を特許公報に掲載することができる。
- (ハ) 特許庁長官は、外国語書面出願について出願公開をする場合、その外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文が提出されているときは、当該外国語書面及び外国語要約書面に記載した事項を特許公報に掲載しないことができる。
- (ニ) 出願公開の請求をした特許出願人は、その出願公開の請求を取り下げることができる場合がある。
- (ホ) 実用新案権の設定の登録があったときは、実用新案公報には、願書に添付した明細書の考案の名称及び図面の簡単な説明のみならず、考案の詳細な説明も掲載しなければならない。
- (イ)と(ニ)
- (イ)と(ホ)
- (ロ)と(ハ)
- (ロ)と(ニ)
- (ハ)と(ホ)
[編集] 解説
- (イ)について。優先権の主張を伴う特許出願では、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日から1年6月を経過したときに出願公開される(特許法64条、17条の3括弧書き(~及び第64条第1項において同じ。)の部分により、64条も最先の日を基準にする)。従って、この選択肢は正しい。
- (ロ)について。願書に添付した要約書の記載に不備があった場合、特許庁長官は、当該要約書に記載した事項に代えて、”自ら”が作成した事項を特許公報に掲載することができる(特許法66条4項で準用する、同法64条3項)。従って、この選択肢は誤っている。
- (ハ)について。特許庁長官は、外国語書面等を公開公報に掲載することが公序良俗に反するときは、外国語書面等を公開公報に掲載しないことができる(特許法64条2項6号)、しかし、外国語書面等の翻訳文が提出されていることをもって、公開公報に掲載しないということは出来ない。従って、この選択肢は誤っている。
- (ニ)について。出願公開の請求は、取り下げることができない(特許法64条の2第2項)。従って、この選択肢は誤っている。
- (ホ)について。実用新案公報には、願書に添付した明細書に記載した事項も掲載しなければならない(実用新案法第14条第3項第4号)。明細書には考案の詳細な説明も記載しなければならない(同法5条第3項第3号)。従って、この選択肢は正しい。
解答:2
[編集] 〔44〕特許権者甲が、乙に対して通常実施権を許諾した場合に関し、次の(イ)~(ホ)の記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1~5のうち、どれか。
ただし、特に文中に示した場合を除き、他のいかなる特許権、専用実施権及び通常実施権も考慮しないものとする。
- (イ) 甲は、乙の承諾を得ることなしに、特許権を丙に譲渡することができる。
- (ロ) 乙は、甲の承諾を得ることなしに、乙の通常実施権を他人に譲渡することができる場合はない。
- (ハ)丙に特許権を譲渡した甲は、丙に対し、常に、通常実施権を主張することができる。
- (ニ)乙の通常実施権が登録されている場合、乙は、その後に甲から特許権を譲り受けその旨を登録した丙に対し、通常実施権を主張することができる。
- (ホ)乙の通常実施権が登録されている場合、その後に甲から特許権を譲り受けその旨を登録した丙は、丁に対して通常実施権を許諾するためには、乙の承諾を得なければならない。
- (イ)と(ニ)
- (イ)と(ホ)
- (ロ)と(ハ)
- (ロ)と(ニ)
- (ハ)と(ホ)
[編集] 解説
- (イ)について。特許権者が特許権を譲渡する場合に、承諾が必要という規定はない。従って、この選択肢は正しい。
- (ロ)について。許諾による通常実施権者は、実施の事業とともにする場合には特許権者の承諾を得なくても、通常実施権を譲渡することができる(特許法94条1項)。(「譲渡」には、相続や法人の合併などの一般承継は含まれない。)従って、この選択肢は誤っている。
- (ハ)について。特許権を譲渡した場合に、元の特許権者が新しい特許権者に対して通常実施権を主張することが出来るという規定はない。従って、この選択肢は誤っている。
- (ニ)について。通常実施権は、その登録をしたときは、その特許権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる(特許法99条1項)。従って、この選択肢は正しい。
- (ホ)について。特許権者は、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる(特許法78条)。通常実施権の許諾をする場合に、登録した通常実施権者の承諾が必要という規定はない。従って、この選択肢は誤っている。
解答:1
[編集] 〔48〕特許権侵害訴訟に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
- 特許権侵害訴訟において、特許権者が侵害の行為を組成したものとして主張する物又は方法の具体的態様を相手方が否認する場合、その相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにすることが営業秘密に当たるなどの相当な理由があるときを除き、自己の行為の具体的態様を明らかにするとともに、証拠を提出して当該態様を立証しなければならない。
- 特許権侵害訴訟において、特許請求の範囲に記載された構成中に、その特許権を侵害したと主張されている相手方製品と異なる部分が存するとしても、当該相手方製品は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、その特許発明の技術的範囲に属すると解される場合がある。その場合、特許権の侵害を主張する者は、特許請求の範囲に記載された構成のうち、相手方製品と異なる部分をその相手方製品におけるものと置き換えることについて、当業者が当該特許権の設定登録の時点において容易に想到し得たことを、要件の1つとして主張し、立証しなければならない。
- 特許権侵害訴訟において、一方当事者が自己の保有する営業秘密を開示する場合、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、当事者等に対し、その営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又はその営業秘密に係る秘密保持命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。この命令を受けた者が、当該命令が申立ての要件を欠くことを理由として不服申立てをする場合、当該命令の取消しの申立てをすることはできるが、即時抗告をすることはできない。
- 特許権侵害訴訟において、当該特許が特許無効審判により無効とされるべきものと認められるときは、特許権者は、相手方に対しその権利を行使することができないが、当該相手方の攻撃又は防御の方法が、審理を不当に遅延させることを目的として提出されたものと認められるときは、裁判所は、当該特許を有効なものとみなすことができる。
- 裁判所が、特許権侵害訴訟の提起があった旨を特許庁長官に通知し、これを受けた特許庁長官が、その特許権について特許無効審判の請求がされた旨を裁判所に通知した後、当該訴訟において、当該特許は特許無効審判により無効にされるべきものであるとの主張がなされ、その攻撃又は防御の方法を記載した書面が提出された。この場合、裁判所は、特許庁長官に対し、その旨を通知すると同時に、当該訴訟の訴訟記録のうち、その審判に必要と認められる書面の写しを送付しなければならない。
[編集] 解説
- (1)について。証拠を提出して当該態様を立証するまでは必要ない(特許法104条の2)。従って、この選択肢は誤っている。
- (2)について。判例で認められている均等論についての問いである。均等論とは、特許発明の本質的では無い部分に簡易な変更を加えただけの物に対しては特許権の効力が及ぶという理論である。均等論の要件の1つとして、特許請求の範囲に記載された構成を、侵害したと主張されている相手方製品の構成に置き換えることが、製品等の製造等の時点(侵害と主張している行為が行われた時点)において、当業者が容易に想到できたことが必要である。判断の時は、設定登録時ではなく、製品等の製造等の時点で判断する。従って、この選択肢は誤っている。
- (3)について。秘密保持命令の申立てをした者は、当該申立てを却下した裁判所に対して、即時抗告することができるが(特許法105条の4第5項)、命令を受けた者が即時抗告できるとする規定はない。不服申立において当該命令の取消しの申立てをすることはできる。従って、この選択肢は正しい。
- (4)について。当該相手方の攻撃又は防御の方法が、審理を不当に遅延させることを目的として提出されたものと認められるときは、裁判所は、却下の決定をすることができるのであって、当該特許を有効なものとみなすことができるわけではない(特許法第104条の3第2項)。従って、この選択肢は誤っている。
- (5)について。攻撃又は防御の方法を記載した書面が提出された場合、裁判所は、特許庁長官に対し、その旨を通知する(特許法第168条第5項)。特許庁長官は、当該通知を受けたときは、裁判所に対し、当該訴訟の訴訟記録のうちその審判において審判官が必要と認める書面の写しの送付を求めることができる(特許法第168条第6項)。当該書面の写しは、特許庁長官から請求する。従って、この選択肢は誤っている。
解答:3
[編集] 〔52〕特許法、意匠法又は商標法に規定する罰則に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
- 物を生産する方法の発明について特許がされている場合において、その方法により生産した物を業としての輸出のために所持する行為によって専用実施権を侵害した者は、4年の懲役及び400万円の罰金を併科されることがある。
- 特許出願に係る発明が、明細書記載の効果を奏しないにもかかわらず、虚偽の実験成績証明書を提出してその効果を奏するごとく欺いて特許を受けた場合、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されることがある。
- 法人の従業者が、その法人の業務に関し、その法人が所有していた特許権の消滅後に当該消滅した特許に係る物に特許表示を付し、譲渡のために展示した場合、その従業者が3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されるほか、その法人に対しても1億円以下の罰金刑が科されることがある。
- 特許権及び意匠権を侵害した者は懲役及び罰金を併科されることはあるが、商標権についての専用使用権を侵害した者が懲役と罰金を併科されることはない。
- 特許権を侵害した者が法人の従業者であるとき、その法人にも罰金刑が科されることがあるが、その時効の期間は、従業者の侵害罪についての時効の期間と同一である。
[編集] 解説
- (1)について。間接侵害に該当する行為を行った者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金を併科されることがある(特許法196条の2)。従って、この選択肢は正しい。
- (2)について。詐欺の行為により特許を受けた者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する(特許法第197条)。従って、この選択肢は正しい。
- (3)について。虚偽表示を行った者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する(特許法198条)。また、両罰規定の適用もあるため(同法第201条第1項第2号)、1億円以下の罰金刑が科せられる。従って、この選択肢は正しい。
- (4)について。特許権、意匠権及び商標権についての専用使用権を侵害した者には、懲役と罰金を併科されることがある(特許法第196条、意匠法第69条、商標法第78条)。従って、この選択肢は誤っている。
- (5)について。特許法第201条3項により、時効の期間は、法人とその従業者とで同一である。従って、この選択肢は正しい。
解答:4
[編集] 〔53〕実用新案法に規定する国際実用新案登録出願、実用新案登録出願及び実用新案登録に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
- (イ) 国際実用新案登録出願の出願人は、国内処理基準時を経過する前であっても、当該国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求をすることができる場合がある。
- (ロ) 専用実施権者により実用新案技術評価の請求が行われた場合、当該実用新案技術評価書の謄本は実用新案権者に対しても送達される。
- (ハ) 実用新案技術評価においては、実用新案登録請求の範囲についてした補正が願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるか否かについての評価はされない。
- (ニ) コンピュータプログラム自体については、実用新案登録を受けることができない。
- (ホ) 実用新案登録出願の願書に添付した実用新案登録請求の範囲に記載された考案が、願書に最初に添付した明細書の考案の詳細な説明に記載されていない場合、特許庁長官は、相当の期間を指定して、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面についての補正をすべきことを命ずることができる。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ以上
- なし
[編集] 解説
- (イ)について。実用新案法第48条の13で読み替えて準用する、同法第12条第1項より、国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、国内処理基準時を経過した後、何人も請求することができる。従って、この選択肢は誤っている。
- (ロ)について。特許庁長官は、実用新案技術評価書の作成がされたときは、その謄本を、請求人が実用新案登録出願人又は実用新案権者でないときは請求人及び実用新案登録出願人又は実用新案権者に送達しなければならない(実用新案法第13条3項)。従って、この選択肢は正しい。
- (ハ)について。実用新案技術評価においては、実用新案法第3条第1項第3号及び第2項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第3条の2並びに第7条第1項から第3項まで及び第7項の規定に係るものの評価を請求することができる(実用新案法第12条第1項)。従って、この選択肢は正しい。
- (ニ)について。特許法における「物」の定義(特許法第2条3項1号)と異なり、実用新案法における「物品」の定義(特許法第2条第3項)にはコンピュータプログラムが含まれない。従って、この選択肢は正しい。
- (ホ)について。実用新案登録出願に対して、特許庁長官が補正命令をするのは、実用新案法第2条の2第3項に掲げる場合である。問のように補正の適否により、特許庁長官が補正命令をすることはない。従って、この選択肢は誤っている。
解答:3
[編集] 〔59〕特許出願に関し、次の(イ)~ (ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
ただし、特許出願は、外国語書面出願でも国際出願に係るものでも実用新案登録に基づく特許出願でもなく、分割又は変更に係るものでもないものとする。
- (イ) 願書に添付した明細書の発明の詳細な説明には、発明の属する技術分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に、常に、発明の目的、構成及び効果を記載しなければならない。
- (ロ) 特許出願人は、拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内に特許請求の範囲について補正を行う場合、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであれば、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示された事項についてするものでなくとも、明りょうでない記載の釈明を目的とする補正を行うことができる。
- (ハ) 一の請求項のみからなる特許出願は、特許法第37条に規定する発明の単一性の要件を満たさない場合はない。
- (ニ) 特許出願人は、拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内に特許請求の範囲について補正を行う場合、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであれば、特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を追加するいかなる補正であっても行うことができる。
- (ホ) 特許出願人は、当該特許出願に係る発明イに関連する発明ロが外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となっていたことを特許出願の時に知っている場合、発明ロに関する情報の所在を明細書の発明の詳細な説明に記載しなければならない。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
- 5つ
[編集] 解説
- (イ)について。いわゆる当業者が、その実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載すればよい。従って、この選択肢は誤っている。
- (ロ)について。問いの場合の明りょうでない記載の釈明を目的とする補正は、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る(特許法17条の2第5項柱書き、同項第4号)。従って、この選択肢は誤っている。
- (ハ)について。発明の単一性の要件は、通常、特許請求の範囲に記載された請求項に係る発明どうしの関係で判断するが、一の請求項において発明特定事項が形式上又は事実上の選択肢で表現されている場合には、各選択肢どうしの関係についても発明の単一性を判断することになる。従って、この選択肢は誤っている。
- (ニ)について。拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内に特許請求の範囲の減縮を行う場合には、当該請求項の限定的減縮以外にも、補正の前後で、当該発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であること(特許法17条の2第5項第2号)、及び補正の前後で、当該発明の技術的特徴が異なる別発明に変更しないこと(同法17条の2第4項)が必要である。従って、この選択肢は誤っている。
- (ホ)について。その発明に関連する文献公知発明(特許法第29条第1項第3号に掲げる発明)のうち、出願人が特許出願の時に知つているものがあるときは、その文献公知発明に関する情報の所在を、発明の詳細な説明の欄に記載する(特許法36条第4項第2号)。従って、この選択肢は正しい。
解答:1
[編集] 〔60〕実用新案登録無効審判等に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
- 甲社の実用新案登録に対し、乙社が進歩性欠如を理由とする実用新案登録無効審判を請求したところ、甲社は実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正書を提出した。この場合において、訂正後の実用新案登録請求の範囲に記載された考案が、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものでないときは、当該訂正は不適法なものとして却下される。
- 甲社の実用新案登録に対し、乙社が進歩性欠如を理由とする実用新案登録無効審判を請求したところ、甲社は実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正をした。これに対して、乙社は、当該訂正後の登録実用新案は進歩性を欠如するとして新たな証拠に基づく実用新案登録無効審判を請求した。この場合において、甲社は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする再度の訂正をすることができることがある。
- 甲社の実用新案登録に対し、実用新案登録無効審判が請求され、甲社は実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正をしたが、無効とすべき旨の審決がされたため、甲社は審決取消訴訟を提起した。この場合において、当該訴訟の提起後に、甲社が、明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができることはない。
- 甲社が、乙社に対し、乙社の製造販売する製品は甲社の登録実用新案を侵害する旨、実用新案技術評価書を提示して警告したところ、乙社が実用新案登録無効審判を請求し、甲社は実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正をした。この場合において、乙社の製品が訂正後の登録実用新案を実施するものであるときは、甲社は実用新案技術評価書を改めて取得し、提示することなく権利行使をすることができる。
- 実用新案登録に対する実用新案登録無効審判が請求され、参加人が当該審判に参加した後、当該実用新案登録に基づく特許出願がされ、その旨が当該審判請求人及び参加人に通知され、その後、審判請求人はその請求を取り下げた。この場合において、参加人が当該審判の手続を単独で遂行することができることがある。
[編集] 解説
- (1)について。実用新案登録に対する訂正では、独立特許要件は要求されない(実用新案法第14条の2等)。従って、この選択肢は誤っている。
- (2)について。実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正は1回に限る(実用新案法第14条の2第1項、2項)。請求項の削除を目的とする訂正であれば、2回以上できることもある(同条第7項)。従って、この選択肢は誤っている。
- (3)について。実用新案登録の明細書等の訂正は、無効にされた後は、すなわち無効審決が確定した後はすることができない(実用新案法第14条の2第8項)。しかし、審決取消訴訟を提起した場合には審決は確定していない。また、同条第1項2号及び7項で規定されている訂正の時期的制限は、無効審判における時期的制限であると解される。よって審決取消訴訟においては訂正をすることができる。従って、この選択肢は誤っている。
- (4)について。実用新案登録の明細書等を訂正したことにより、当該実用新案登録の考案の範囲に含まれないこととなつた考案について、権利の行使又はその警告をした場合には、その者は、その権利の行使又はその警告により相手方に与えた損害を賠償する責めに任ずる(実用新案法第29条の3、第29条の2)。よって、権利行使又をする前に、再度実用新案技術評価書を提示した警告が必要である。従って、この選択肢は誤っている。
- (5)について。共同出願(実用新案法第41条で準用する特許法第132条)を請求することができる者が参加人となった場合には、被参加人がその審判の請求を取り下げた後においても、審判手続を続行することができる(実用新案法第41条で準用する特許法第148条)。利害関係を有する者が参加人となった場合には(補助参加人)、被参加人がその審判の請求を取り下げた後においては、審判手続を続行することができない(特許法第148条第4項)。従って、この選択肢は正しい。
解答:5