平成19年論文式 商標法

出典: ゼネラルプロパテント 弁理士試験Wiki

[編集] 【問題】

甲は、商標「ROPOPO」(以下、「イ商標」という。)について、指定役務を第41 類「ビデオゲームを主とする娯楽施設の提供」とする商標権(以下、「本件商標権」という。)を有している。

A株式会社(以下、「A」という。)は、家庭用テレビゲームおもちゃ等の製造販売を業とする会社である。Aは、平成6年に、乙が学生時代の同級生である甲を誘って創業した会社であるが、家庭用テレビゲームソフト「ロポポ」が大ヒットしたことから急成長を遂げ、当該ゲームソフト「ロポポ」に付された標章「ROPOPO」は、平成13 年初め頃には既に、需要者の間に広く知られて、今日に至っているものである。なお、標章「ROPOPO」は乙が考えた造語である。

乙はAの創業当時から現在に至るまで代表取締役である。甲はAの創業当時からの取締役であったが、会社の経営方針をめぐって乙と対立し、平成13 年6月末日をもってAの取締役を退任し、退社した。

甲は、取締役在任中に、Aが「ロポポ」の人気を利用してゲームセンターの運営業務に進出する企画があることを知っていたので、退任後、イ商標について平成13 年8月1日に商標登録出願し、同14 年10 月8日に本件商標権の設定登録を受けた。しかしながら、甲自身は、未だにイ商標の使用を開始するには至っていない。

この場合において、平成19 年7月1日を基準に、以下の(1)ないし(3)について、設問の番号を明示して答えよ。

なお、「家庭用テレビゲームソフト」と「ビデオゲームを主とする娯楽施設の提供」とは、非類似の商品及び役務であり、また、解答に際してマドリッド協定の議定書に基づく特例は、考慮しなくてよい。

設問(1)Aが、本件商標権を消滅させるために、特許庁に対してどのような手続を取ることができるか、上記事案の範囲内で考え得るものを挙げ、その根拠となる理由を付 して述べなさい。

設問(2)以下の状況において、イ商標はどのような場合に「不正の目的をもって使用するもの」に該当するか述べなさい。

①甲がイ商標について、自ら使用せず、使用権の許諾・設定も行っていないとき。

②甲が、Aを退社後、「ゲームセンターの企画及び運営」を行うB株式会社を設立し、イ商標を使用させているとき。

設問(3)甲は、平成19 年4月1日、Aに対して、本件商標権の買取りを請求した。これに対して、Aは、平成19 年6月1日付け回答書において、甲の請求には応じられない旨の回答をした。甲は、Aからの回答書を受領した直後に、「ビデオゲームセンター『ROPOPO』近日開店」との印刷物を頒布して、イ商標を使用した。この事実を前提にAが、イ商標の不使用を理由として本件商標権を消滅させることができる場合とできない場合のそれぞれについて説明しなさい。

【100点】

[編集] 【論点】

周知商標に類似する商標の不正目的による商標登録について、事案に則して提起できる「商標登録の無効の審判」、不使用を理由とする「商標登録の取消しの審判」の知識を問うとともに、不使用を理由とする「商標登録の取消しの審判」における駆け込み使用防止についての規定の理解度をみる。

1.設問(1)について

①商標登録の無効の審判

②不使用を理由とする「商標登録の取消しの審判」

2.設問(2)について

登録商標の「不正の目的をもって使用する」ことの類型

①実際の使用のないとき

②実際の使用のあるとき

3.設問(3)について

不使用を理由とする「商標登録の取消しの審判」の請求に対する駆け込み使用の防止 ①不使用を理由とする「商標登録の取消しの審判」の原則

②駆け込み使用防止の例外

③正当理由(駆け込み使用とは認められない場合)

[編集] 【解答】